え、また受験?

 入試に受かってしまいさえすれば、あとはレールにのって勝ち組人生だ!・・・なぁ~んて、思っていませんか??

 「え、だってサトルがそう言ったじゃないの」はい、たしかにそのとおりなんですが、勝ち組人間どうしの競争が、今度は待っているのです。

 その名も恐怖の(笑)「進学振り分け

 まず最初から説明しましょう。京都大学などほかの多くの大学では、大学入学後すぐ、すなわち1年生のときから、学部にわかれています

 学部というのはその学問分野を専門的に学ぶところで、法学部、医学部などいろいろあります。

 そういった大学では、1年生のときから法学部なら法学の、医学部なら医学の専門的な勉強を始めるわけです。それが4年間(医学部なら6年間)続きます。

 ということは、ある一つの学問を学ぶ期間が長くとれるので、スペシャリスト(専門家)を養成することができます。

 しかし東大ではめずらしく、大学1、2年生の間はその専門的な学部というものにわかれていません。東大1、2年生は全員、教養学部という学部に所属します。

 一応、学部という名前にはなっていますが、学ぶ内容は専門的なつっこんだものではなく、一般的なものです。3年生になってから、専門の学部に分かれていくのです

 教養学部で学ぶもの、それは一般的な教養として身に付けていなければならないもの。英語も第2外国語もありますし、法学とか医学とかの基礎の基礎、ほんの入り口っていうものなどもあります。

 高校でいう体育のようなもの、マニアックな地域の歴史や文化について、有名人を講師に招いた特別講義、などさまざまです。

 これが一般教養、略してパンキョーと呼ばれています。この、ちょっと小バカにした(?)略称からもわかるように、退屈なもの、無駄なものというイメージが広く浸透しています。(笑)先生方には大変失礼なのですが・・・

 なので、いかにそのムダな授業を受けずに済ませられるかが、遊びたい東大生にとっては死活問題となります。

 ただずっと欠席しているだけでは、成績をつけてもらえず、卒業できなくなりますからね。遊びたいと言っても、卒業はしたいので(笑)

 さて、「進学振り分け」に戻ります。3年生になるといろいろな学部にわかれて進学すると言いました。そして、その一つの学部の中でも、さらに「学科」という細かい分類があります。

 例えば経済学部の経営学科とか、農学部の獣医学科とか。

 しかし、誰もが好きな学部、学科にいけるというわけではありません。そう、高校生だれもが好きな大学に入学できるわけではないのと同じように・・・

 ここでまた、選抜があるのです。定員よりも希望者が多い場合、1、2年生のときの成績が良かった順に合格となります。

 人気のある学部、学科になると、これはもうすごい倍率で、1、2年生で全部の授業で好成績をとらないといけないくらいです。

 ちなみに、人気のない学部、学科というのも、当然あります(笑)あまり大きな声では言いにくいのですが、例えば文学部のインド哲学科(正確には専修課程)とか・・・。

 そういった、定員よりも希望者が少ないところは、成績に関係なくだれでも入れます。この点は、大学入試とは違いますね。

 もしあなたの進学したい学部、学科が、人気のあるところだったらどうしましょう?2年生の終わりになってから気づくのでは手遅れ。

 もし今から、行きたい学部、学科が決まっているのであれば、合格後すぐに人気度を調べましょう!

 ただ、この「進学振り分け」制度にしばられない東大生もいます。(うらやましい!)それは、すでに進学する学部が決まっている人達です。

 (科類で言うと、文科一類、文科二類、理科三類の人。詳しくは「6つの東大」を参照して下さい。)いっしょうけんめい勉強していい成績をとらなくてもいいから、自由に時間を使えます。

 それ以外の東大生は、がんばって授業にでて、いい成績で単位をとろうと必死です。でも、自分の学びたい学問を学べるところへ進学するためなので、ここは一つ多少ムリしてでもがんばったほうがいいと僕は思います。

 まあ、「せっかく東大に合格したのに、また勉強かぁ~」なんて言わずに!(笑)どうせなら、自分の好きな道に進みたいでしょう?

 それに、高校までの勉強とはぜんぜん違うので、その面白さにハマってしまうかもしれませんよ?(笑)

 そもそもなぜこの「進学振り分け」があるのか。それは、1、2年生の期間に、広く浅くたくさんの学問を知り、自分の興味、関心の沸く分野をじっくりと見極めて欲しいという親心から作られたものなのです。
 高校生までの間の限られた知識だけで、自分の進みたい専門分野をすぐに決めてしまうことは危険なのです。知らないだけで、もしかしたらもっとほかに、自分に向いている面白い学問があるかもしれないのですから。

 だからゆっくり時間をかけて、いろんな学ぶものがあるということを知る必要があるのです。

 たとえばあなたが英語が好きで、英文学科に入ったとします。ここは、英語で書かれた文学作品を研究するところです。

 でも、あなたが好きだったのは、日常の英会話だったとしたら?はたまた、英語を人に教えるほうが好きだったとしたら?海外旅行をするのが好きなんだったとしたら?

 英語を使う分野は、ほかにもいっぱいあります。後で「やっぱりあっちに進学しておけばよかったぁ」と言っても、変更するのは難しいです。

 今の時点で、あなたが将来進む道を決定してしまうのは、たいへん危険です!

 だから東京大学では、最初の2年間という猶予をあなたの為に準備しているのです。もっといろんな人たちと知り合って、自分の世界を広げてください、と。

 そうしてはじめて、自分の将来をきちんと考えることができるのですから。


 ただ、「進学振り分け」の悪い面もあります。それは、学生が、点数を集めることだけに気を使ってしまい、本来の目的であった、いろいろ勉強するということがおろそかになってしまうのです。

 大学では、授業ごとに、受け持つ先生が違います。そして、先生によって、成績のつけ方が甘かったり厳しかったりするのです。

 だから点数を上げたい学生は、甘い先生の授業ばかりを受けたがるのです。たとえその授業内容に興味がなかろうと・・・。

 どんな授業でも、いいかげんにやっている先生はいません。そのクラスを受け持つからには、幾ばくかの労力を割いているはずなのです。

 そして、先生と呼ばれるためには、自分が一番そのことについて詳しくなければなりません。その道のプロなのです。

 そんな、「先に生まれた人」(先生)の話しを聞くことが、ムダなことであるはずがありませんよね。点数が欲しければ、その授業でがんばればいいのです。努力に応じた成績がかえってくることでしょう。

 あなたはこれから東京大学に入る人です。いまはきっと志を高く持っているでしょう。

 合格した後も、ぜひその気持ちを忘れないで下さい。遊びにも勉強にもトコトンいっしょうけんめいになる、立派な東大生になってください。

 そしてもちろん、あなた自身の将来についても、本気で考えてください。いま持っている知識だけで判断する必要はありません。人生のクライマックスです。もっと慎重に、そして広い視野で考えてください。東京大学は、それを許してくれる数少ない大学の一つなのですから・・・





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