明るい一人暮らし

あなたはひとりぐらしをしたことがありますか?
ぼくは高校を卒業するまで、したことがありませんでした。
たいていのほかの人も、そうだと思います。
でも!来年東大に入ったら、ひとりぐらしをすることになるかもしれませんよ。
心の準備をしておきましょう。(はやすぎ?(笑))
東大合格後のひとりぐらしはものすごく楽しかったですよ
かつて、駒場キャンパスには駒場寮というものがありました。
いろいろいわくつきの寮なのですが。
東大に合格すると、東大側から送られてくる書類があります。封筒に入っているのですが、これ、初めて見たときびっくりしました。
なんと、中身が飛び出さないように、ひもをくくりつけられる装置がくっついていたのです!丸いボタンのようなもので、その周りにひもをぐるぐるまきにするやつです。
これは生まれてはじめて実物を見ました。テレビアニメのサザエさんなどで見たことがあった、あれです。
波平さんが会社へ出かけるときに、よく家に置き忘れてきて、サザエさんが会社まで急いで届けにいくときに手にしているあれです!(笑)


えーと、そんなことよりも、中身の書類が大事です。
入学に関する事務連絡がいろいろ書いてあります。そのなかにA4サイズの紙切れ1枚が入っていました。
どれどれ、なんてかいてあるのかな・・・
駒場寮は違法です
えー!!
そのときすでに、駒場寮の人から勧誘をされて、入寮に関する案内パンフレットまでもらって、入りたいなあなんて思っていたのに!
まずいなぁ、このままだと法に触れることになるのだろうか?
もう一度駒場寮の人から話を聞いてみました。
するとその先輩は、だいじょうぶだと言うのです。むしろ大学側のほうが約束違反なのだ、と。
・・・まだ入学したてで、しかも地方から上京してきたおのぼりさんだったぼくは、この発言の意味するところを理解できませんでした。
大学側と駒場寮は激しく対立していると知ったのは、しばらくしてからのことです。
かんたんに言うと、大学としては、駒場寮はもう古くなったから取り壊したいと。三鷹に新しい寮を作るから、そっちに引っ越してくれと。
寮側としては、いや、居座りつづけるぞと。以前に約束したじゃないか、大学の中なんてこんな便利な場所を離れたくないぞと。
どちらの言い分が正しいのかわかりませんけどね。
『なんだかたいへんそうなところに入っちゃったなぁ・・・』
そんな不安がある一方で、不思議な魅力もありましたね。なんか、してはいけないいたずらをしている子供の気持ちのような(笑)
気になる間取りはというと、なんと一部屋は24畳!びっくり!どでかいです。天井も高い。
面白かったのは、「畳ベッド」なるものでした。ベッドの形をしているのに、寝る部分には畳がひいてあるのです。
そのうえからふとんをしいてしまうので、あまり意味はないですけどね。でも夏などにはすずしくて気持ちいいですよ。
多少の胸のつかえはありながらも、まあまあ楽しく生活していたある日のこと。事件が起きました。重大事です!
なんと電気の供給がストップされました!(笑)
いえ、笑い事ではありません。大学側が、もう辛抱ならぬということで電気を送るのをやめてしまいました。
このときから、どんどん入居者は減っていきました。電気が使えないんじゃ、いなくなっても当然ですよね。
でもぼくは逃げませんでした。学期の途中だったので、いまからほかの部屋を探すとなると大変だからです。なんとか年度末までがんばろう、と。
電気のない生活、想像できますか?まさに「朝日とともに起きてきて、夕日とともに寝てしまう~」というハメハメハ女王の生活です(笑)
しかし、試験前となると、暗くなったからといって就寝するわけにはいきません。勉強しないと卒業できないのです。
夜8時くらいまではいいんです。図書館が空いていますから。
問題はそのあと。さて、どうするか?
・・・見つけましたよ、いいものを。
常夜灯」です。
駒場キャンパスの中、教室のある建物の壁に、街灯みたいに一晩中ついてるランプがあります。
もちろん鍵がかかっていて建物には入れませんが、そこはベランダ(?)のようになっていて、外から出入り自由でした。
外なんですけど、一応屋根はある。そこに重い机を運んできて、夜になったら誰もいない薄暗い中で、一人で勉強・・・不気味です!(笑)
まさか東大に合格したあとまで、こんな苦労を強いられるとは。蛍の光、窓の雪・・・窓があるだけましです、こっちは屋外で寒いの!
たまに守衛さんが見回りにやってきますと、最初はけげんそうにしてましたが、事情を話すとがんばってるねぇと感心してくれました。
また、若い男女のカップルがやってくることもあります。少し奥まったところで二人だけで休憩しようと思ってやってきたのでしょう。
静かで、だれにもじゃまされない、わたしとあなただけの空間・・・ところがどっこい、変な人(ぼく)がいた!(笑)
もうしわけないことをしたような気がしました。彼らは一瞬ビクッとしたあと、平然を装ってそそくさと退散してしまいました。
そんなこんなで、試験の結果はというと、可もなく不可もなくって感じでした。実際は、一つ「不可」がありましたけどね。
さぁ、この話から導き出せる教訓とはなんですか?
「ぼろい寮に入るな?」
ちがうちがう、「発想の転換でなんでもできる」ということです。
電気がないからといってすぐにあきらめてはいけません。ただ、コンセントに電気がきていないだけじゃないですか。
だったらほかで探せばいい。盗んではいけませんよ、ズルはだめです。合法的に、迷惑をかけずに工夫する。
勉強は建物の中でするもの」という常識の壁を見事に打ち砕きました。すばらしい。自画自賛(笑)
え、ただの極貧生活日記にすぎないじゃんか、ですって?
しーっ!それはナイショです!
どんなつまらない話、役に立たない話からでも、なにかひとつ得てやろうという強欲な気持ちが大切なのです。
するとごらんなさい、世界が変わってみえるでしょう?(念のために言いますが、ぼくは変な人ではありません)
そんなことより、普通の一人暮らしの生活についてなにも話してないですね(汗)それはまた別の機会にということで。
とにかく楽しいですよ。はじめて親元を離れて自分一人で生活するんです。ごはんも自分で用意するし、洗濯も自分でやります。
アルバイトをして、家賃を滞りなく支払わなければなりません。全部あなた自身の裁量で決まるんです。
これは自立心が育ちますね。ちょっと大人になった、一人前になったような気がするでしょう。悪くないですね。
可能性に満ちた未来の足音は、あなたのすぐそばまで近づいています。もうちょっと。もうちょっとだけがんばれば、ほら!まばゆいほどの光にあふれた明るい将来が、あなたの手の届くところにまでやってきているのです!





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