受験生も研究者

ローマ法王ヨハネ・パウロ二世が亡くなって、次の法王が決まりました。ドイツ出身の枢機卿がベネディクト十六世となりました。4月20日です。
さぁ、あなたがこのニュースを聞いて思い浮かべることはなんですか?
ぼくはすぐ、「ベネディクト液(ベネジクト液)」を思い出しました。
文系理系関係なく、中学校の理科で習ったはずです。糖の存在下で加熱すると褐色に呈色するのでしたね。
でんぷんとだ液を混ぜて、温度を変えて、どんな条件で消化が進むのかを調べる実験をしなかったでしょうか。
ぼくがこれを授業で習ったとき、こんなひどい目にあったことを覚えています・・・
4、5人の班にわかれ、班ごとに実験を行います。
その班のなかでだれか一人が自分のだ液を準備してきます。じゃんけんで負けたぼくがその班でだ液を用意する係になりました。
(みんな、だ液を持ってくるのはいやがっていました。だ液というものだけで恥ずかしいのに、しかも自分のだなんて、と。そういう年頃です。)
で、数本の試験管にでんぷんとだ液を入れて実験を開始しました。最後にベネディクト液とヨウ素液を使って色を確かめました。
うちの班の実験は成功しました。ところが、となりの班で、何も色がつかないところがありました。
それで、その班の人がこっちの班に、どうやったらいいのかを聞きにきました。でも、操作自体は正しいものでした。
「だ液がちがうのかなぁ」
とぼくはいいました。同じ試薬を使っているし、分量も器具も同じだし、ほかに原因が思い付きませんでした。
するとうちの班の女子が、となりの班へだ液を見にいきました。そして、ちょっとだ液をわけてもらって帰ってきました。
これだけならなんのことはありません。しかし!その女子がなんとまあ余計な発言をしてきてしまったのです。
サトルがエミちゃんのだ液ほしいって。
そんなこと一言もいってませんから!(笑)エミさんというのは、その班でだ液を持ってくる係になっていた女の子です。
それを聞いていた周りの女子たちが「えー、やだー」とか言いながら興味しんしんの様子で、ニヤニヤして喜びはじめました。
しかも先生(女性)にまで告げ口しました。男子が女子のだ液をほしがっているよ!と。
するとその先生も先生で、「だ液が欲しいっていうことは、キスしたいっていう意味なんでしょ?」なんて火に油を注ぐようなことを言うのです。
それまでまじめなイメージで通っていたぼくが、いっきに変人として扱われるようになってしまいました(笑)
都会の学校ではこういうことはもっと進んでいるのかもしれませんが、うちのほうはこんなことで大騒ぎするような、原始的な状態でした。
そんなことはともかく、この実験のいいところは、今まで知っていた知識を使うのに加えて、新しい方法で裏付けを取っているところです。
ヨウ素液は小学校のときに使いました。アサガオの葉っぱ、アルミホイルをかぶせた部分はでんぷんができなかったのでしたね。
ここでも、でんぷんとだ液を混ぜたあと、青紫色にならなければ、でんぷんがなくなったということがわかります。
しかし、なくなったことがわかるだけであって、何になったのかがわかりません。そこで新しい検出試薬の登場です。
ここでは天下り的に、ベネディクト液という道具が与えられます。そもそもそんな液があるなんてことすら知りませんからね。
しかし、ぼくらが大学院や研究所でやっているような最先端の実験では、そういう世話は焼いてもらえません。ぜんぶ自分で考える必要があります。
東大を志望している人のなかでも、研究者になりたいという人の割合は高く、一番大きな割合を占めています。
このホームページで開催したアンケート大会でも、理科一類の人気はとても高かったですしね。
研究者にとって、大切なことは自分で責任を持つということです。周りから勝手になにかが与えられることはありません。
なにか手がかりがほしければ、自分で探しに行かなければなりません。しかも、手に入れた情報の善し悪しも、自分で判断しなければなりません
独立独歩。自分の足で立って、自分の手を動かし、自分の頭で考えるのです。
そしてこれは、将来研究者となったときにだけ大切なのではありませんよ。実は、いまのあなたにとっても必要なことなのです。
あなたは受験生です。受験生とは、あなた自身の勉強のすすめ方を研究する研究者でなくてはなりません!
どんなやり方が、自分にとって最も効率的な方法なのか?モチベーションを上げるのに、自分に一番いいやり方はどんなことか?
勉強法、心の問題、いろんな情報が手に入ります。インターネットが使えるいまではなおさらそうです。
そんな膨大な知識の海のなかから、一人の受験生としてのあなたにとって、どれが必要でどれがムダなものか、判断しなければなりません。
そう、ちょうど自然科学者が森羅万象を正確に把握し、枝葉と本質を取捨選択するように。
だれか神様のような人がきて、「これをやりなさい。そうすれば絶対に合格する。」と言ってくれもしませんし、そんな方法もありません。
あなた自身が、「絶対に合格する自信がある!」と思えるようになるために、日々理論と実践を積み重ねていかなければなりません。
このホームページでぼくがしているように、いろいろアドバイスをしてくれる人はたくさんいると思います。
でも、おそらく、みんな似たようなことを言っているのではないでしょうか。合格する人の傾向は同じようなものだと思いますから。
だから全部の人のアドバイスをもらって参考にしようと思うことはありません。肝心の勉強時間が少なくなってしまいますからね。
たとえば学校・塾部門、書籍部門などにわけるとしたらその各部門で、信頼できる人が一人でも見つかれば十分です。
その人を信頼してついていくことで、あなたの心に「絶対に合格する自信」が育っていくのです。
そうすれば、もし他のアドバイスも欲しいと思ったとしても、その人おすすめの人のアドバイスを聞くだけで済む、ということも可能です。
これなら、ただやみくもに、てあたりしだいに探すよりも、ずっと効率がいいですね。
インターネット部門なんてあるかどうかわかりませんが、ぼくもあなたに信頼してもらえるように、どんどん情報を発信していきたいと思います。
いまは1学期の始めですからまずは心構えや大局的な見方でアドバイスをしてきました。これから夏休みに向けて、徐々に具体的な方法も提示していきます。
英語に関しては、すでにちょっと話し始めていますね。
それだけではありません。だんだんと厳しくもなってきます。言われていやなこと、耳がいたいこともたくさん言うでしょう。
そして受験直前には、まるで人が変わったようになっているかもしれません(笑)
きらわれるかもしれません。いまはもらえているメールも、だんだんもらえなくなるかもしれません。
それでも、来年、あなたと一緒に東大合格の喜びを味わうために、やらなければならないことなのです。
一緒にがんばらなければ、一緒に喜べるなんてことはありませんものね!





« 友達ヲ利用セヨ | メイン | ノーベルプライズ »