にわとり

ひさびさの<R指定>(気分を害するかもしれない話が含まれています。平気な場合だけ読んでくださいね。)
うちでよく見てるテレビがあります。テレビ朝日でやっている、「いきなり!黄金伝説」という番組です。
1万円だけで1ヶ月も生活するというすごい企画をやってるんです。
その参加者の一人、よゐこの濱口さんは、なんと自分の部屋でにわとりを飼育して、とれる卵を食べて食料のたしにしているのです!
動物といっしょに暮らすというのは、臭いがしたり世話をしたりで大変だと思いますが、すごくがんばっていらっしゃいました。
そのにわとりは茶色でしたが、東大のにわとりは、白いのです。
「東大のにわとり?」
東大の駒場キャンパスにも、にわとりが住み着いているのです。それも白くて大きな、赤いとさかも立派なにわとりなのです
授業が終わって学生たちも三々五々。バイトやサークル、売店に買い物に行ったりと、のんびり過ごしています。
そんななかに混じって、一羽のにわとりがひょこひょこ歩いているのです(笑)なんともほほえましい光景ではありませんか。
入ったばかりの新入生は、このにわとりが珍しいと思うのか、おどかしたりおいかけたりとちょっかいを出します。
でも、にわとりってけっこう足がはやいんですね。すました顔のまま、表情を変えずに足早に逃げていくのです。
何ヶ月かが経過すると、だんだんキャンパスの動物にも慣れてきて、だれも見向きもしなくなります。
そうすると、まるで一人の東大生のように、例のにわとりは駒場キャンパスの中に違和感なく溶け込んでいるのです
人間も動物も同じ生き物の仲間です。こうして共存共栄することができれば、一番いいことなのかもしれませんね。
DNAに大した違いはないのです。いや、染色体の数から言えば、ヒトよりもユリのほうが多かったりするのです。
昨日、慶応大学出身の同僚研究者と議論をしました。
彼の主張は、人間も自然の摂理に従って、弱肉強食にするべきだというものでした。劣っている人間は滅びていけばいいのだ、と。
ぼくは、人間は特殊で、劣っていても優れていてもできるだけ平等に暮らしていけるよう努めればいいのではないか、と反論しました。
このやり取りを聞いて、あなたはなにを感じましたか?
でも、どちらの意見に賛成かということは、実はあまり大切なことではありません。
ぼくが大切だと思っていることは、いろんな意見があるという事実を知ることです。
彼のような過激な主張をする人は、少ないと思います。でも、少ないながらも、実際にいるのです。存在するのです。
どの意見が悪いとかダメとか言いたいのではありません。
受け入れがたい情報でも、決して目を背けず、知ろうとすることが、あなたの世界を広げることになると思うのです
人間、ラクをしたいのが本音です。耳障りの良いこと、当たりさわりの無い情報の中にだけいれば、ここちよく生きていけます。
でも、「良薬は口に苦し」。
他人から助言や忠告をされるのを、全ての人が喜ぶとは限りません。王に進言した家臣も、重宝されたり打ち首にされたりします。
あなたがいままで暮らしてきた世界の別の側面、裏側、はたまた全く異なった別の世界。井戸の外には限界などありません。
未知なる知識がうようよしています。それらすべてがあなたを気分よくさせるものではありません。
しかし、それら全てがあなたを成長させることだけは、間違いないのです
感覚にふたをしないでください。怒りや憎しみなどで心を乱さず、精神を安定させて、素直な気持ちで周囲を直視してください。
吸収できるものは、なんでも吸収してください。不要になったら捨てればいいのです。いまは、あなたへ向けられたアドバイスに耳を傾けてください。
たとえばこれから東大に合格しても、なかにはあなたを快く思わないひともでてくるでしょう。暴言をあびせられることもあるかもしれません。
そのときは悲しい気分になるでしょう。しかし、そんな人もいるという客観的事実も、受け入れなければならないのです。
うちの近所の焼き鳥屋さん、一族で経営していて、とても繁盛しています。こんどお店を増築するそうです。利益を出しているのですね。
それだけ見ると、うらやましいですよね。商売繁盛、家内安全。幸せそうです。
しかし、見えない裏の部分もあるのです。
自分で、にわとりを殺しているのです。
飼っているにわとりをつかまえて、首をもって、そこを刃物でスパッと切る。鮮血が流れ出し、まもなくにわとりは動かなくなる。
羽毛を残らずむしりとり、皮をはぎ、血を洗い、肉片を分断する。生肉を串に突き刺し、それを並べる。
ここから先は、なじみのある光景です。お客さんから注文を受けた串を焼き、たれをつけて渡します。
繁栄のウラには、想像を絶する苦労があったのです。
東大生も、簡単に東大に合格したわけではありません。隠れた努力をしてきたからこそ、栄えある学生証を手にすることができたのです。
ぜひ、表面的なものだけにとらわれず、いろんな真実を探求する姿勢を持ってください。
「いろんな」という言葉は、便利です。
旅行へ行って帰ってきて、「いろんな楽しいことをした。」夏期講習へ行って、「いろんな勉強をしてきた。」
しかし、便利だからこそ、気をつけてください。
その言葉が指す一つ一つの事を思い浮かべることができるでしょうか。個別にはわからないけど、全体的になんとなく楽しかったから、いろいろたのしかったと言っているようなまずいケースがあるのです。
それではせっかくの楽しい旅行がひとときの楽しさで終わってしまいます。勉強なら、身についたような気がするだけで終わってしまいます。
「いろんな」でじっぱひとからげにせず、それを構成する具体的な事象にまで思いをめぐらせるように、工夫してみるといいですよ。
なんてことを考えつつ、そんな固い話ばかりしていてもつまらないし、気楽に過ごしていきたいものだと思いました。
東大の白いにわとりも、きっと自由きままに生活していることと思います
いまごろどうしているでしょうか。
ぼくがグラウンドをジョギングしていたとき、そのにわとりが入ってきたことがありました。いい思い出です。
せっかくだからと、いっしょにトラックを歩きました。
たまごを食べたりチキンを食べたりしているぶんざいで、よくもまあ仲が良さそうに歩けるものだと思いながら。
共存共栄しよう!などと言う資格など、ないのかもしれませんね。
いつまでも答えのでない問題です。
だから普段は、深く考えないようにして、日々の生活を送っています。多くの人がそうではないかと思うのですが、あなたはどうでしょうか。
一回、とことん思考を突き詰めて、考えに考えぬいて、元の日常に戻る。トラックにたとえれば、一周まわって、また同じ場所に戻る。
そうすると、一見、周回遅れの集団と同じ位置を走っているように見えます。
でも、実は考えまくった経験をもっている。
こんな人が、東大生には多いような気がします。
表面的には、どこの大学生とも変わらない、よくいる若者。普通に楽しく遊んでバイトしてサークルやって。
しかし、内情は、ずっと先を進んでいて、そしてぐるんと一回りして戻ってきたような人だったりするのです。
だから東大生とつっこんで話をしていると、深みがあって面白いんです。人間の幅が厚いような気がするのです。
「へー、そうなんだぁ。」
なんて言っている場合ではありません。
そんな東大生に、あなたもなるんですよ!
いま、楽しいことや苦しいこと、それに類することが数え切れないほどたくさんあると思います。脳がオーバーヒートするほどと思います。
すばらしい。
一足先、いや、一周先を行く先頭集団の東大生に、あなたはなることでしょう。
そして死ぬまで、幸せでいられることでしょう。
いまを乗り切れば!





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