利己的奉仕活動

ぼくは東大でボランティアのサークルに入っていました。
環境問題から家庭問題まで、じつに様々な問題を扱うボランティアサークルが東大にはあります。

たとえば毎年11月に行われる駒場祭でも、いろんな団体が活躍しています。
「環境三四郎」というサークルがごみの分別を徹底して取り仕切っています。
障害のある子供が作ったお菓子を模擬店で販売している「のっぽのキリン」というサークルもあります。
もちろん駒場祭以外で日常的な活動を、たくさんのサークルが行っています。

ボランティア・奉仕活動というと、自分を犠牲にして他人の為に尽くすという崇高なもののように思えますよね。
一方で、生き物はみな自分のため、自分の子孫のために生きているものです。
では、人間だけはちがうというのでしょうか?

ぼくは、そうは思いません。
人間も、ほかの全ての生き物と同じだと思っています。
自分の利益が最大限になるように行動する。これは生命の定義にも関わる、生き物における根源的な特徴です。

ではなぜ、他人の利益になるボランティアという活動をしている人がいるのでしょうか。
答えは単純で、自分の利益にもなるからですね。
「え、ボランティアってアルバイトと違って無報酬なんでしょう?」
なにも、利益というのはお金だけを指しているわけではありませんよ。

たとえば感謝されてうれしい気持ちになるということも、ぼくたちの立派な利益なのです。
言ってみれば、自分が精神的に満足したいという利己的な動機から活動しているのです。
それがたまたま、他人の利益にもなったという構図ですね。
我が身を捨てて人を救うなんていうごたいそうな気持ちなど持ち合わせてはいません。
ただ個人的な趣味で、やっていただけです。

こんな「不純な」動機のぼくが、インターネットで、あるものを見つけました。
クリックをするだけで、困っている人に募金ができるというものです。
しかも、クリックをする人には金銭的な負担は一切かかりません。
この運動に加盟している大企業が、クリックする人に代わって募金をします。
ぼくたちは、その企業の広告を見ることで、お金を払わないで済むのです。
これはお金を払わずに見られるテレビと同じ仕組みです。間にCMが入っていますよね。

このホームページの右側に、人と人が手をつないだようなイラストがあります。
その下には、「クリックで救える命がある」と書かれています。
そこを押して進み、いくつかあるうちのどれかのボタンをクリックすると、募金ができます。

ぼくは、ただクリックしてくれとは言いません。
あなたがもし、募金をすることで気分が良くなり勉強に専念できるというのならば、
それはあなたにとってものすごい得です。絶対にクリックしてください。

しかし、そんな暇があったら勉強したいし、面倒なことすると疲れてしまう、というのならば
あなたにとって損です。クリックしてはいけません。あなたの勉強が優先です。
「人でなし」って思われちゃう、なんて心配しなくていいんですよ。
さっき言ったように、だれでも自分のことが最優先なのですから。
あなたにもメリットがあると感じたときだけ、クリックしてくださいね。

こんなふうに、どんなことでも自分にとっての損得を勘定して行動するようにしてくださいね。
それが合理的だということです。東大生はあらゆることに合理的ですよ。





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